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月刊おがわ通信

2006年9月号 会社法について(第1回目)

みなさんこんにちは!

今月は中小企業オーナー様のための会社法をご紹介いたします。
(第1回目)

会社法が作られた理由(中小企業のための法律の新設)
.なぜ「会社法」が作られたのでしょうか?

A.これまでさまざまな法律に分かれていた「会社に関する規定」を解り易くひとつの法律にまとめるためです。これに伴い、大企業だけでなく、中小企業にフォーカスをあてた大幅な制度改正が行われます。 

現在の商法〈大企業のための法律〉

・100年以上前にできた古い法律、文語体でカタカナ書き。
現在の社会経済の動きに合わない。
所有と経営を分離した物質的大企業を中心とした規定になっているため、一般の企業経営者が読んでもわからない。

  平成18年5月より
これからの会社法〈中小企業のための法律〉

商法その他の法律のうち、会社に関係するものを見直し。
ひらがな口語体に変更。
会社の大半を占める中小・零細企業(一人会社を含む)にフォーカスをあてた規定になっているため、解り易くなった。

*これからの会社法(制定のポイント)*

譲渡制限会社の活用 ・・・ 譲渡制限会社は、株式を公開していない中小企業そのものであり、株主1人、取締役1人で会社設立が可能です。
有限会社の廃止 ・・・ 株式会社に統合されます。
最低資本金制度の撤廃 ・・・ 資本金1円から設立が可能です。
合同会社(日本版LLC)の新設 ・・・ LLPとともに創業やジョイントベンチャーなどでの活用に期待。
会計参与制度と決算公告 ・・・ 会計がますます重要になります。
株式制度の拡充 ・・・ 事業承継、M&A含めた組織再編に活用。

平成18年度税制改正で給与所得控除相当額が損金不算入に
給与所得控除相当分が法人の所得に上乗せされ法人税の負担が増加!
会社法の施行により、節税目的に法人を設立し、税の軽減を図ろうとする動きを抑制する為に、「実質一人会社(注1)のオーナー社長報酬につき、一定の場合を除き(注2)、給与所得控除相当分を損金不算入とする」という税制改正が行われました。

<注意1> 実質一人会社とは ・・・ ①同族関係者で発行済株式の総数の90%以上の株式を保有、かつ②同族関係者が常務に従事する役員の過半数を占める場合
<注意2> 適用除外要件 ・・・ ①法人課税所得と役員報酬の合計額が、直前3年(事業年度)の平均額年800万円以下である場合、および②この平均額が年800万円超3000万円以下であり、かつ役員報酬の占める割合が50%以下である場合

 

[給与所得控除損金不算入による法人税の増税額]

給与等の収入金額① 給与所得控除額② 増税になる法人税等③(②×41%)
800万円 200万円 82万円
1,000万円 220万円 90.2万円
1,200万円 230万円 94.3万円
1,500万円 245万円 100.5万円
2,000万円 270万円 110.7万円

この税制改正は新設の会社だけでなく、既存の会社にも適用されます。
さて、社長ならどのように対応しますか?

 

会社組織はどう変わるか

-中小企業に最適な機関設計とは-

Q.会社組織のしくみが柔軟化されたそうですが、具体的にはどのようになったのですか

A. 会社法では、株主総会、取締役などの会社組織のしくみ(これを「機関設計」といいます)に関して、最低限のルールを定めて、あとは各株式会社が自由に選択して、取締役会その他の機関を設置することが出来るようにしています。

これまでは・・・ 株式会社は有限会社に比べて厳格な機関設計の定めがあり、取締役会および監査役の設置義務、取締役3人以上の設置義務など、柔軟な機関設計ができませんでした。

これからは・・・ 会社の規模に応じて、自社にマッチする機関設計ができます。
例えば、株式譲渡制限会社である閉鎖会社にあっては、取締役会、監査役を置かなくてもよいため、株式総会と取締役1人だけの会社も可能になります。

株式を公開していない中小の株式会社(閉鎖会社)に関係する機関設計ルール

会社の機関

機関設計のルール

取締役

①すべての株式会社には、株主総会と取締役1名以上を必ず設置しないといけません。

②株主総会+取締役1名という組み合わせが、株式会社の最もシンプルな機関設計となります。

③取締役会を設置しない場合は、株主総会で会社に関するあらゆる事項を審議することになるので、株主の権限が強くなります。

④監査役を設置しない場合は、取締役の業務執行を株主が直接監督することになります。

⑤定款の定めにより任期を10年まで延ばすことが出来ます。

取締役会

①取締役会は、設置しても設置しなくてもよくなりました。

②取締役会を設置する場合には、取締役が3名以上必要で、代表取締役を決めないといけません。

③取締役会を設置する場合には、監査役又は会計参与等を設置しないといけません。

監査役 ①監査役は、設置しても設置しなくてもよくなりました。

②取締役会を設置しない場合でも、監査役を置くことができます。取締役+監査役という組み合わせが可能です。

③定款の定めにより監査範囲を会計監査のみに限定する監査役の設置もできます。この場合は、取締役の業務を株主が直接監督します。

④定款の定めにより、任期を10年まで延ばすことができます。

会計参与

①会見参与を設置するかどうかは、株式会社が選択できます。

②取締役会を設置する場合において、監査役等を設置しないときは、会計参与を設置しないといけません。

 

結局のところ、中小企業ではどうなるの?

 

中小企業では次のような機関設計が選択されると思われます。

パターン1・・・株主総会+取締役会+監査役 これまでの商法における中小企業 の株式会社の機関設計
パターン2・・・株主総会+取締役1名以上
パターン3・・・株主総会+取締役1名以上+監査役
パターン4・・・1~3それぞれに会計参与を追加設置
会社法により新たに認められた機関設計

 

選択のポイントは?

 

パターン1 ・・・ これまでの商法における株式会社の機関設計を今後も引き続き選択する場合
パターン2
パターン3
・・・ 最もシンプルな形を選択する場合
○株式譲渡制限会社のみが取締役会を置かないことができます。
○取締役会がないために株主総会の権限が拡大し、監査役がいないために取締役の業務執行を株主が直接監督するなど株主権が強化されます。したがって、経営陣に批判的な株主がいる場合には、スムーズな会社経営が出来なくなることが考えられます。
○ 一方、株主が社長一族で固められているなど、株主対策が不要な会社については、迅速な意思決定ができるというメリットがあります。
パターン4 ・・・ 金融機関や債権者などに対し、自社の決算書の信頼性をアピールしたい場合や、経理部門の強化を図りたい場合

 

◆最もシンプルな会社として、取締役1人のみの株式会社も可能です。

◆ 形だけの取締役や監査役を置かなくてもよいので 無駄な報酬コストが削減できます。

社長のところでは
どのようにしますか?

新たに導入される「会計参与」制度と「決算公告」の義務について

  1. 会社法で新しく導入された「会計参与」とは?
  2. 「会計参与」とは、会計に関する専門家(税理士・公認会計士・税理士法人・監査法人)で、他の役員と一緒に会社の計算書類(決算書のこと)を作成したり、株主総会で計算書類の説明をしたりします。ただし「会計参与」の設置は会社の任意であり、機関設計や譲渡制限の有無にかかわらず、強制されることはありません。

 

会計参与が導入されると

 

決算書(計算書類等)の信頼性を向上させることによるメリット

決算書(計算書類等)の信頼性を向上させることによるメリット

・経営状態が見極められるので、適切な経営判断が可能
・金融機関から信頼が得られるので、優遇された条件での資金調達が可能
取引先から信頼が得られるので、新規取引先の開拓が可能
会計参与制度を普及させるためには、「会計参与が計算書類を作成するにあたり統一的な会計処理」が必要。しかし、大企業と異なり、中小企業には明確な会計基準が存在しない。
そこで  
日本税理士会連合会、日本公認会計士協会、日本商工会議所、企業会計基準委員会(オブザーバーとして、中小企業庁、法務省、金融庁)による「中小企業の会計にかんする指針(注)の策定。
(注)次の3つの報告を統合し中小企業に対して会計処理のあり方を示すもの。
・中小企業庁「中小企業の会計にかんする研究会報告書」(平成14年6月)
・日本税理士会連合会「中小会社会計基準」(平成14年12月)
・日本公認会計士協会「中小会社の会計のあり方に関する研究報告」(平成15年6月)この「中小企業の会計に関する指針」に基づく会計処理は制度会計ではないので、準拠するかどうかは会社の任意ですが、会計参与制度を導入する会社は、この基準に従うことが求められます。また、自主的にこの基準に従って決算書を作成すれば、金融機関等からの信頼が得られやすいと考えられます。 「中小企業の会計に関する指針」による決算書の作成には、準備期間が数年かかります。

Q2. これからは「決算公告」が義務付けられると聞きましたが?
A2.  会社法では、すべての株式会社で「決算公告」が義務付けられます。
有限会社には「決算公告」の義務はありませんでしたが、会社法では有限会社と株式会社が一本化されるので、すべての株式会社で「決算公告」が義務付けられます。

なお、特例有限会社にはこれまでとおり「決算公告」の義務はありません。

◎一般的な決算公告の方法

 

公告の方法

公告する決算書

①官報に掲載 貸借対照表の要旨
②日刊新聞紙に掲載 貸借対照表の要旨
③インターネットのホームページに掲載 貸借対照表そのもの(5年間公開)

(注)公告の方法として、①または②を定款で定めている会社についても、貸借対照表そのものをインターネットのホームページ上に5年間掲載することで、決算公告に代えることができます。
社長のところでは「会計参与」を導入しますか?
特例有限会社から株式会社になると「決算公告」が必要になることをご存知でしたか?

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